過去に報告されている海洋、大気、土壌の人工放射性核種のデータを国内外から収集し、データベースを構築した。北半球に降下したセシウム137総量は765+-79 PBqとなり過去の国連科学委員会報告の545 PBqより40%多かった。セシウム137の降下量の空間分布も明らかになった。
構築したデータベースの中で海洋の部分は、国際原子力機関の海水中放射能データベースに提供し、他のソースと合わせて全球規模の海水中放射能データベースの構築に寄与した。筑波大学アイソトープ環境動態研究センターは、福島事故関連の環境放射能データをDOIを付けて公開するとともに、外部で既に公開されているデータも合わせて串刺し検索が可能なデータベースサイトを提供している。
データサイエンス講義導入:セシウム137全球データベースおよび環境放射能データの検索と公開サイト
講義概要
プロフィール
- 青山 道夫 生命環境系
- 学歴
1977年 気象大学校卒業
1999年 金沢大学大学院 博士課程修了 博士(理学)
現職
2019年4月~ 筑波大学 生命環境系 客員教授
2014年4月~ 海洋研究開発機構 地球環境部門 招聘上席研究員
職歴
1984年4月~1989年3月 気象研究所地球化学研究部 研究官
1989年4月~1993年9月 長崎海洋気象台 主任技術専門官
1993年10月~1996年3月 海洋研究開発機構 海洋研究部 副主幹
1996年4月~2014年1月 気象研究所地球化学研究部 主任研究官
2014年2月~2019年3月 福島大学環境放射能研究所 教授
国際プロジェクトへの貢献
1995年~2000年 国際海洋循環観測計画 科学計画委員会 委員
2010年,2011年 国際連合ユネスコ政府間海洋学委員会と国際海洋調査会議の共同による栄養塩標準の研究グループ 共同議長
2015年~2019年 国際科学会議海洋研究科学委員会の作業グループ147 全球海洋栄養塩データの比較可能性 共同議長
出版物
国際雑誌に154の査読付き論文を出版、14の書籍の共著者である。
14の国際報告書及び6編のデータブックを出版。