心理学は心の不思議を解き明かす実証科学である。子どものつく「ウソ」は本当に『嘘』なのか?嘘をつくための認知発達や言語発達はどのような噂話の伝播の過程、子どもと大人の目撃証言の信ぴょう性、口承文芸の時代による変遷の過程などの言語材料に基づき、語りの発達や創造的想像のメカニズム、記憶と想起を支える脳の基盤などを実証的に検証し、ウソか嘘かを明らかにしていく。この検証の過程を支えるのは、第一に、問いをもつこと。第二に、問いを探求すること。第三に、探求のための方法論を身につけることである。
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2014年度 特別講義「問いを持ち続けることの大切さ-子どものウソは『嘘』か?」
肝心なのは、問うのをやめないこと。
プロフィール
- 内田 伸子 十文字学園女子大学理事/特任教授、お茶の水女子大学名誉教授
- 学術博士。1970年にお茶の水女子大学大学院人文科学研究科修士課程修了。1990年にお茶の水女子大学文教育学部教授に着任。2011 年よりお茶の水女子大学客員教授・名誉教授。十文字学園女子大学特任教授。法務省裁判員制度有識者会議委員。主な著書に、「子どもの文章: 書くこと考えること」、「発達心理学: ことばの獲得と教育」があげられる。