東京高等師範学校の校長を23年半も務めた嘉納治五郎は、柔道の創設・普及はもちろん、教育改革や留学生教育、そして日本のスポーツの推進などに尽力した。また、アジア人初のIOC委員として、世界を駆け回り、オリンピック・ムーブメントの推進にも貢献した。嘉納治五郎の幅広い行動と理念について学ぶとともに、筑波大学に流れる嘉納のレガシー(遺産)を見いだす。(2018年度)
江戸末期から昭和の初期を生きたクーベルタンと嘉納の略歴と、二人がどのように出会ったのかを紹介する。その上でこれら歴史上の人物の思想的な近似性、すなわち功利主義と実用主義、教育制度の比較研究、教育の三領域(体育・知育・徳育)、体育・スポーツの奨励、他国の理解と世界平和、自他共栄と相互敬愛を概説する。